ロバート・スミッソン【Learning from New Jersey and Elsewhere】

ロバート・スミッソン(Robert Smithson, 1938 - 1973年)は、アメリカ合衆国ニュージャージー州生まれの現代アーティストです。
ニューヨークで絵画を学び、イラストレーター等の仕事で活動した後、1964年にミニマルアートの流れを受けてガラス板やネオン管を使用した作品を発表します。その後、サイト・スペシフィシティ(場所固有であること)など、アート作品とその環境の関係を思考し、地球環境にまで表現方法を広げる『ランド・アート』と呼ばれる現代アートの潮流にかかわります。ユタ州・グレートソルトレイクに大きな螺旋の堤防を築いた作品『スパイラル・ジェッティ(1970)』は現在も高く評価されています。

本書は、オースティンのテキサス大学の美術および美術史の准教授であるアン・レイノルズによるスミッソン論になります。
本書にてレイノルズは、スミッソンの未亡人であるアーティストのナンシー・ホルトより提供された、雑誌、様々なアーティストからのポストカード、ノート、蔵書などの膨大な資料をもとにスミッソンの作品の複雑性と、歴史的な文脈についての考えを明らかにしています。
レイノルズの分析の焦点は、文化における確立された見方や考え方のブラインド・スポット(盲点)
をつくスミッソンの魅力に当てられています。
スミッソンにとってニュージャージーは、そのようなブラインド・スポットでした。彼はひとりで、また仲間のアーティスト達と何度もそこを訪れました。
「作品を制作する時、「何を作るか」についてや、もっと重要な「どこに作るか」について想定してたことが、その場所によって浸食される。」と語るスミッソンにとって、ニュージャージーはすでに確立されているアートの世界とは異なる「Elsewhere(他の場所)」でした。そして、現代の文化から忘れ去られている「Elsewheres」を、定義することこそが彼のアートでした。
新しいアートのあり方を模索し、若くして亡くなったスミッソンの思索の深淵を探る一冊です。


出版社:  The MIT Press
タイプ:  ペーパーバック
言語:   英語
ページ数: 364ページ
サイズ:  23 x 20.4 cm
状態:   新刊

販売価格

3,100円(内税)

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