Specials | 特集

Design Books

Drawings| ドローイング

 数百年に渡り、ドローイングは絵画や彫刻、建築の下絵やメモとして、アーティストの制作を支える重要なツールでした。近代になると、ドローイングを下絵やメモといった2次的なものとしてではなく、それ自体を独立した作品と見做す新しい傾向が生まれてきます。そして、従来の下絵としてのドローイングも、本番の作品とは異なるドローイングならではの魅力や、新しい発見をもたらす作品として見直されています。

 1950年代、アメリカ抽象表現主義の画家たちは、近代以前の規範から離れ、新たな規範の創造を目指し、ドローイングを創造的プロセスを捉える手段として積極的に取り組みます。その後も、プロセスに重点を置いたドローイングは、ミニマルアート、コンセプチュアルアート、ポストミニマルのアーティストによって独自に展開されていきます。

 上記のアーティストたちが純粋なアートの追求を目指したのに対し、消費社会の発展と共にポップカルチャーやサブカルチャーからイメージを引用するスタイルが発展を見せます。写真や新聞、雑誌からのコラージュ、アッサンブラージュといった手法も用いられる様になります。

 90年代以降には、それ以前には排除されてきた個人的・日常的なモチーフが、アーティストの感性によって自由に展開され、手作業の痕跡を伝える具象的なドローイング作品が現れます。また近年のドローイング概念の拡張と共に、ドローイングを元にしたアニメーションやインスタレーションなど、使用するメディアや展示のスタイルも多様化しています。

 本特集では、アーティストのインスピレーションを鮮やかに伝えるドローイングをテーマに、自由で刺激的な魅力のたくさん詰まったアートブックをご紹介します。

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Fugurative Art

Figurative Art | 人物

 ギリシア彫刻、ルネサンス絵画や彫刻等々、長らく「人物」は美術の中心的モチーフであり続けてきました。その間、写実的表現が常に規範とされてきましたが、近代になると、印象派の画家たちが筆のタッチを積極的に残し、モチーフの固有色から自由な色彩を使用した絵画をスタートさせます。
 20世紀初頭からは、ピカソやマティスの他、伝統的なイタリアの具象彫刻を学びながら、印象派の影響を受けて新たな人物彫刻を作り出したメダルド・ロッソなど、多くのアーティストが表現主義や抽象表現を発展させ、写実から離れた作品の追求を始めます。
 急速な美的価値観の進展の中で、抽象表現主義が全盛となる20世紀の半ばには、具象表現を過去のものとする見方も生まれました。しかし、実際には「人物」が美術作品から消えることはありませんでした。ヴィレム・デ・クーニングにおいて、アメリカ抽象表現主義の中心に属しながらも、人物(女性)がモチーフとして残されただけでなく、バルテュスやフランシス・ベーコンや、ルシアン・フロイドなどは積極的に具象的な人物表現へ留まり続けます。
 その後も、伝統的な写実性の魅力を伝えるアンドリュー・ワイエス、アントニオ・ロペス・ガルシアなど、具象表現がつきる事はありません。
 そして現在も、著名人から身近な友人まで肖像を描き続けるエリザベス・ペイトンや、人物と風景の静謐で印象的な場面を描き出すウィルヘルム・サスナルなど、人物は重要なモチーフであり続け、魅力的な作品が生み出されています。

 今回の特集では、20世紀以降、現在までに生み出されてきた、人物をテーマとする注目すべき作品の数々を絵画、彫刻、写真作品などあらゆるジャンルから「Figurative Art」としてご紹介します。人物表現の変遷と最前線を、ぜひ書籍でご覧下さいませ。

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Dusseldorf Photoschool

Performance Art | パフォーマンス・アート

 1959年にアラン・カプローがニューヨークで発表した、明確なストーリーを持たず、演じられるその場で起こる偶発性も含めて出来事として提示する「ハプニング」は、パフォーマンスの捉え方に大きな変化をもたらしました。
 同時期、ジョージ・マチューナスを中心とした芸術グループ「フルクサス」は、美術、詩、音楽、舞踊など従来では共演することのなかった様々なジャンルを横断し、アメリカやヨーロッパの各地にて実験的なイベントやコンサートを行います。フルクサスには、カプローにも大きな影響を与えたとされるジョン・ケージやオノ・ヨーコ、ナム・ジュン・パイク、ヨーゼフ・ボイスら多くのアーティストが関与し、オノ・ヨーコの観客に特定の行為を行わせるインストラクションや、「社会彫刻」の理念のもとで行われるボイスのアクションなど、それぞれ独自の表現へ発展させていきます。
 70年代に入ると、パフォーマンス・アートは大きな広がりを見せ、シンプルな行為により観客の意識の変化を喚起するコンセプチュアル・アート的な要素を含んだヴィト・アコンチやジョン・バルデッサリなどによるパフォーマンス作品が現れます。
 また、ライブで行われるパフォーマンスにて、その様子を記録することのできる写真やビデオが重要な側面を担います。誰もが手軽に映像の撮影を可能にしたビデオは、ナム・ジュン・パイクがいち早くビデオ・アートとしてその可能性を探求し、ビル・ビオラやゲイリー・ヒルらによってパフォーマンスの記録としての映像からビデオ独自の表現へと発展を遂げることになります。
 その後も、
・架空の映画女優やポルノ、美術作品の人物などに自ら扮し、パフォーマンス・フォトとも言える作品を制作するシンディ・シャーマン
・自らを過酷な状況に身を置き、観客を特殊な状況へと誘うマリーナ・アブラモヴィッチ
・レバノンにパレスチナ人として生まれ、中東の政治的背景、故郷を追われた民族の悲哀を予感させるモナ・ハトゥム
・メキシコシティを舞台とし、特定の行為によって社会・政治的状況に介入していくフランシス・アリス
等々、現在もなおパフォーマンス・アートの分野では、新たな可能性と共に、人々の心を揺さぶる新しい作品が生まれています。

 本特集では、パフォーマンス・アートを軸に、音楽や映像などのメディアをミックスした作品に至るまで、オリジナルの名作と、それらを生み出したアーティストのクリエイティビティをご紹介します。そこには新たな時代を生み出す可能性の発見と感動がきっとあるはずです。

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Dusseldorf Photoschool

Photo Documentary | フォト・ドキュメンタリー

 ある瞬間の光を機械的に定着させる「写真」は、19世紀初頭に誕生して以来、あらゆる物にレンズを向け、その可能性を発展させています。
 それまで画家によって制作され上流階級でなければ得ることの出来なかった肖像画は、肖像写真スタジオの出現により社会の広い層へと広まっていきました。また、当時一般の人々が旅行することのなかった遠い異国の景観や大自然を、写真によって目にする機会をもたらすなど、写真による新しいビジュアル・イメージは、驚きの声と共に人々の生活に定着していきました。その中で、私たちを取り巻く現実の姿を写真の持つ記録の力によって表現し、多くの人々へ届ける方法が『フォト・ドキュメンタリー』として20世紀に大きな発展を遂げることになります。

 本特集では、約1世紀に渡り多くの写真家たちが挑戦し、時代と共に新たな表現を生み出してきた『フォト・ドキュメンタリー』作品の歴史と共に書籍をご紹介します。写真を通して世界を表現するアーティストたちの軌跡からは、写真の魅力だけでなく、対象を見つめる新鮮な眼差しを感じて頂けることでしょう。

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Expressionsm

Expressionism | 表現主義

 既成の美意識やスタイルの枠に収まらない、未知の領域(カオス)へ向けてのアーティストの跳躍。エクスプレッショニズムにはその様な挑戦が内在しており、それが作品における激しさや執拗さ、過剰さとして鑑賞者を駆り立てるのではないでしょうか。
 今回の特集では、アートの分野においては主に絵画を中心に語られることの多いエクスプレッショニズムを幅広くとらえ、絵画にとどまらず、彫刻・インスタレーション、パフォーミング・アーツ、写真表現など様々な分野における、アーティストの鋭敏な感性が捉えたエクスプレッショニズム的な精神を感じさせる書籍をご紹介いたします。
この機会にぜひ、アートの爆発的なエネルギーに触れてみて下さい。

※エクスプレッショニズムについて… 
 エクスプレッショニズムは日本語では表現主義や表現派と訳され、一般にアーティストの感情や精神を作品中に反映させる表現様式のことを指します。また、エクスプレッショニズムはインプレッショニズム(印象主義)と対をなす語であり、普段目にしている自然界の色彩や形態とはかけ離れた、激しい色の対比や、抽象的・構成的な形態を特徴とする革新的なアートのスタイルでした。
 20世紀に入ると、フランスのフォーヴィスムや、ドイツ表現主義(ブリュッケ、青騎士など)、オーストリアではエゴン・シーレやオスカー・ココシュカなど、ヨーロッパ各国でエクスプレッショニムズが注目を集めるようになります。
 第二次世界大戦を挟んで、エクスプレッショニズムは抽象的傾向を強めていきます。フランスのアンフォルメル、デンマークとベルギー、オランダの3カ国にまたがった芸術運動であるコブラ、戦火を逃れ新天地アメリカへ亡命したアーティスト達によるアメリカ抽象表現主義など、様々な展開を見ます。
 その後も1970年代末から80年代半ばにかけて、それまでのミニマル、コンセプチュアルアートの禁欲的なスタイルへの反発として、アメリカ、イタリア、ドイツなどで激しい筆致や荒々しいテクスチャーによる具象表現を特徴とするネオ・エクスプレッショニズムが、アートマーケットにて数々のスターを生み出しました。

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Netherlands Design Fair

Netherlands Design Fair | オランダ・デザインフェア

 現代オランダデザインの特徴は、鮮やかな原色と単純化された形態によるデザイン。色彩と形態を数学的に、またコンセプチュアルに扱いながらも、ユーモア溢れる楽しいアイデアが盛り込まれたオランダのデザインワークは独特の魅力があります。

 オランダのデザイン史を振り返ると、1917年にテオ・ファン・ドースブルフによる『デ・ステイル』の活動(主に雑誌とそれに基づくグループの名称)にまで遡ります。デ・ステイルは、構成主義の画家ピエト・モンドリアンも参加し、直線と原色にまで洗練させたデザインはジャンルの垣根を越え、後に大きな影響を与えました。デザインとアートを境界を横断しながら展開していくオランダのデザインのありかたは、デ・ステイルから現代まで続いていると言えるでしょう。
 そして今も、見るものを驚かせる斬新な書籍を生み出し続けるイルマ・ブーム、ユニークなグラフィックデザイン手法で話題を集めているエクスペリメンタル・ジェットセット、非常に洗練された美しいプロダクトをショルテン&バーイングス、アートとデザインを横断し柔軟な姿勢で出版活動を行うRoma Publications等々オランダでは、現在進行形で刺激的なデザインワークが生み出されています。

 本特集では、様々なオランダのデザイン書籍をご用意しました。ぜひこの機会にオランダデザインの魅力に触れてみてください!

 今回のオランダ・デザイン・フェアへ、オランダのアート系出版社『Roma Publications』設立者の一人、デザイナーのロジャー・ヴィレムスさんよりインタビュー記事が届きました。

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Cy Twombly

Cy Twombly | サイ・トゥオンブリー

 Cy Twombly(1928年4月25日〜 2011年7月5日、アメリカ生れ/イタリア没)

 サイ・トゥオンブリ―は、弊社が取り扱いを切望していたアーティストの一人です。
 オープン当初に作成した特集を、この度大幅に更新しました。この特集について再考してから、約2年の歳月が経ちました。ロラン・バルトによるサイ・トゥオンブリー論やトゥオンブリ―の最後のインタビューを読み、今回の更新はこのような形になりました。

 弊店にはトゥオンブリーの画集だけでなくドローイング集、彫刻集、写真集などの多くの書籍がございます。本特集では、トゥオンブリーというアーティストが辿った軌跡を、年表形式でご紹介します。トゥオンブリーの書籍ガイドとしてご覧いただき、さらに奥深い魅力を各書籍を通して追って頂ければと思います。

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Design Books

Installation| インスタレーション

 インスタレーションとは、「設置する」を意味する「install」が名詞化された造語です。壁に掛けられた絵画や、台座に据えられた彫刻といった従来の美術の展示方法から新たに発展し、オブジェや装置が設置された場所や空間全体、そしてそこでの体験自体を作品化する表現スタイルを指します。

 これまで長い間、音楽や演劇が時間と共に消え去るのに対して、美術作品は『モノ』として形を留めていると考えられてきました。例えば、ミロのヴィーナスやダ・ビンチのモナリザ、ピカソのゲルニカも、その芸術的価値は『モノ』としての作品の中にあると皆が感じ考えています。
 しかしながら、インスタレーションは、サイトスペシフィックな性質を持つため、展示期間中しか現存しない「一過性」の作品である場合がほとんどです。現代のアーティストたちは、この一過性を積極的に捉え、従来の美術で取り扱われることのなかった素材、ニューメディア、テクノロジーなどを組み合わせた作品や、作品と鑑賞者や、鑑賞者同士といったコミュニケーション自体を作品として扱うなど、様々なインスタレーションを展開してきました。

 『モノ』としての作品に価値や重要性が置かれてきた美術史の中で、インスタレーションは新たな価値や考え方を生み出したと言えます。

 本特集では、近年、現代美術を代表するスタイルの一つとして、国際展で目にすることが当たり前になった、インスタレーションの名作の数々を4つのグループに分けてご紹介します。

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Design Books

Design Book Special | ラース・ミュラー・パブリッシャー & 海外デザイン本 フェア

 2015年4月10日から5月30日の期間、京都・dddギャラリーさんでは「ラース・ミュラー 本 アナログリアリティ」展が開催されています。合わせて、ユリーカではショールームで”Book Show”とオンラインストアでの特集を関連イベントとして開催させて頂きます。

 「デザイン」は、新たなビジュアル・アートの一つとして発展を遂げてきました。デザイナーらの創作への探求は、技術の発達や思想の変化などを受けてヨーロッパ諸国に起こったデザインの運動や活動からも見ることができます。
 1917年のオランダで起こった「デ・ステイル」や1919年のドイツ・ワイマール共和国で建築家ヴァルター・グロピウスによって創立したバウハウス、1920年のフランスで新しいデザイン論を唱えたル・コルビジェなどがこの当時の代表的な運動です。デ・ステイルのテオ・ヴァン・ドゥースブルグ、ピエト・モンドリアン、バウハウスのモホリ=ナギ、ヨゼフ・アルバース、ヘルベルト・バイヤー、ロシア構成主義などは、相互交流を持って発展していくこととなりました。
 第二次世界大戦以降の1950年代になると国際性をもったデザイナー、ヴィム・クロウェル、ブルーノ・ムナーリ、ヨゼフ・ミュラー=ブロックマン、エミール・ルーダー、ウルム造形大学の創立者:オトル・アイヒャーやマックス・ビルなどが革新的なデザインを作り出します。彼らは、当時のグラフィックシーンをマガジンとして刊行しスタイルの確立を行なってきた。
 そして現在、ディーター・ラムズやジャスパー・モリソン、ヘルムート・シュミット、イルマ・ブーム、M/M Parisなどがその後の世代に当たり、ここ日本でも多くのメディアなどで取り上げられるデザイナーとして挙げられています。
 今回の特集では1950年以降から現在までのデザイナーの書籍を取り上げ、世界(特にヨーロッパ)のデザインをラース・ミュラー出版社の書籍を筆頭に集めました。
(※デ・ステイルやバウハウスについては、特集『Geometric Lab. | 幾何学』をご覧下さい)

 スイスのグラフィックデザイナー:ラース・ミュラー氏は、1983年に自身の出版社「Lars Muller Pibulisher」を創設されました。鋭い選択眼によって選ばれたコンセプトを最適な表現形式へと書籍というメディアを使用し創作されています。その創作信念は、ひとりのデザイナーとしてそして原点であるスイスグラフィックデザインの伝統の上で美しいデザインの可能性へと通じています。

 

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Street Photography

Street Photography | ストリート・フォトグラフィー

 ストリート・フォトグラフィーは、フォト・ドキュメンタリーの一種と言えますが、遠くの戦場や政治的・社会的動乱などの現場へ出向くのではなく、我々が日常生活を送るストリートが舞台です。
 1950年頃、緻密に計算されたスナップショットの美学によって、日常の風景を芸術作品に仕立て上げたアンリ・カルティエ=ブレッソンによってストリート・フォトグラフィーが知られるようになります。そして、1958年に出版されたロバート・フランクの革命的な写真集『The Americans』によって、ストリート・フォトグラフィーは写真のジャンルとして大きな位置を占める事になります。
 冷戦、公民権運動、成長する大都市と地域社会などに揺れる、1950年後半のアメリカ中を旅しながらスナップされたフランクの写真は、目の前のストリートが歴史のワンシーンであることを生き生きと伝えるものでした。
 その後も、スタジオ・ポートレートに使用されていた6×6フォーマットのカメラを路上に持ち出したダイアン・アーバス、1970年代、アマチュアが使用するものとされていたカラー・フィルムを使用して作品制作を行うウィリアム・エグルストンやスティーブン・ショア、また、都市の発達と共にファッション、音楽、グラフィティ、スケートボードなど路上を表現の場と見なすストリート・カルチャーからの影響など、フォトグラフィーの新しい感性によって、ストリートを舞台とした様々な作品が生み出されています。
 街角の日常風景から始まる、一瞬のドラマを捉えた写真作品の数々をぜひご覧下さい。

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Geometric Lab

Geometric Lab. | 幾何学

 シンプルでスタイリッシュな造形には、観る者をわくわくさせる魅力があります。円、三角形、四角形、またその組み合わせによる幾何学的(ジオメトリック)なスタイルは、アート・デザイン・建築など様々な分野で、現代的なイメージと共に盛んに取り入れられています。
 幾何学というと、抽象的で取っ付きにくいと思われるかもしれません。しかし、装飾的な要素が削ぎ落とされているからこそ、アーティストのセンスや工夫、かっこよさが明快に伝わるのではないでしょうか。

 『Geometoric Lab』(幾何学研究室)と題する今回の特集では、幾何学的スタイルをめぐる6つのキーワードをもとに様々なエポックをご紹介します。幾何学的造形の魅力だけでなく、それらを操るクリエイティブなアイデアや技術をアーティスト達と一緒に探りましょう!

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20th Century Art Chronology

20th Century Art Chronology | 年表で見る20世紀アート

 20世紀のアートでは、フォーヴィスム、シュルレアリスム、ミニマリズムなど、「〜イズム」と言われるアート・ムーブメント(芸術運動)が数多く起こりました。次々に新しい「イズム」が現れるので、全体像がつかめないと感じる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?「イズム」が生まれてきた背景として、19世紀のヨーロッパにおける市民社会の広がりと共に、アーティストは徐々に職人的な一職業から独立し、表現の新しさやオリジナリティーを追求する傾向を強めていったということが挙げられます。
 この傾向が20世紀に入ってますます加速し、数多くのアート・ムーブメントを世界各地で生み出すこととなるのです。時として、作品の過激なまでの先進性が議論の的となりながらも、コレクターや美術館、批評家などがそのバックアップを行うことで、現在へと繋がる現代アート・シーンを生み出してきました。

 以前、ロンドンのテート・モダンを訪れた時、数十メートルに渡る壁一面に1880年から2000年代までのアートの年表がパブリック・アートとして描かれているのを目にしました。有名アーティストから、日本ではあまり馴染みのないアーティストまで、年代順にムーブメントと共にまとめられていたことで20世紀の多種多彩なアートを一望することが出来きました。(ヨーロッパ、北アメリカだけでなく、南米やアフリカ、日本など世界の様々な地域で生み出されたアートにも焦点が当てられていました。)
 本特集もテート・モダンの年表を元に作成されています。

 今回、年表に記載されている全てのアーティストについてここで説明することは難しいですが、ユリーカの書籍セレクトも美術史の系譜を元に行なっており、お取り扱いのあるアーティストは、アーティスト名をクリックしていただくと、書籍や説明をご覧頂けます。
 アートをもっと広く、深く楽しむため、「今」へ繋がるアートの「ヒストリー」を冒険すべく、20世紀アートの旅へ出かけましょう!

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Abstract Painting

Abstract Painting | 抽象絵画特集

 抽象絵画を、一言で説明することは難しいかもしれません。
 例えば、「対象物(モチーフ)」なしに一つの幾何学形態を描けばそれは抽象絵画ですが、「対象物(モチーフ)」がありそれを幾何学的な何かで表現したのであれば具象絵画ということになります。 1910年にワシリー・カンディンスキーが初めての抽象画を描いたと言われています。カンディンスキーはある日、横向きに置かれ対象物(モチーフ)が判別できなくなった自分の絵を見て、その色彩の美しさに感動します。そこでカンディンスキーは絵画には対象物は不要だと気づき、抽象絵画を誕生させました。
 20世紀の初めに急速に広まっていく抽象絵画ですが、ドイツ表現主義、キュビズムの2つの源流があり、そこから展開を経て様々な抽象絵画が誕生します。テオ・ヴァン・ドースブルグ、ピエト・モンドリアンがオランダで行った「デ・ステイル」の運動もその一つ。その後、相次ぐヨーロッパでの戦火を逃れアメリカに亡命した画家たちによって、アメリカの抽象表現主義が誕生します。マーク・ロスコやジャクソン・ポロック、ヴィレム・デ・クーニングらですね。以降も、アメリカ抽象表現主義に触れて学んだのちイタリアに移住し活動したサイ・トゥオンブリーや、1980年代に抽象絵画を描く新たな方法を模索し始めるゲルハルト・リヒター等々、西洋絵画の系譜はとても面白いです。
 絵から具体的なモチーフを取り去ることで生まれたアートとは?? そんな絵への挑戦を、カンディンスキーから現在活動中のアーティストまでご紹介いたします。

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Dusseldorf Photoschool

Dusseldorf Photoschool | ベッヒャー派

 ドイツの写真家である、ベルント/ヒラ・ベッヒャー夫妻は、1960年頃から給水塔、溶鉱炉、鉱山の発掘塔などドイツ近代産業の遺物を被写体にした写真作品を生み出します。被写体の類型によって収集/分類された写真イメージ群は「タイポロジー(類型学)」作品と呼ばれ、コンセプチュアル・アートの分野で評価を得ます。
 そして1976年から、ベッヒャー夫妻が教鞭をとった「デュッセルドルフ美術アカデミー」の教室から、優れた写真家が多数生まれます。アンドレアス・グルスキー、トーマス・シュトルート、トーマス・ルフ、カンディダ・ヘファー、エルガー・エッシャーらを総称して「ベッヒャー派」と呼ばれています。
 タイポロジーのコンセプトからスタートしながらも、アーティスト各々が独自の表現に挑戦し、現代アート分野で世界的に成功しています。また、ドイツの高い写真技術に支えられた、見るものを圧倒するプリントサイズの巨大さもベッヒャー派の特徴となっています。
現代写真表現をリードするムーブメントの一つである「ベッヒャー派」の作品にぜひ触れてみて下さい。

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Landscape Photography

Landscape Photography | 風景写真

 ポートレート、フォト・ジャーナリズム、建築、ファッション、ヌード、写真日記、フォト・モンタージュ、静物…、数ある写真のジャンルのひとつに風景写真があります。その風景写真も、日常の生活風景のスナップから、壮大な美を感じさせる大自然の風景を撮影したものまで幅広いものですが、旅行先などでは我々も風景写真を撮影するので、案外身近な存在でもあります。
 風景を題材とした数多くの絵画や版画が残されているように、風景は写真が発明される以前から人々を魅了してきました。そして19世紀前半、ニエプスやダゲールによって写真が発明されると、写真家達は世界各地へ出かけていき未知の風景を写真に収めました。その後、カメラと写真技術は時間と共に飛躍的に進化し現在へ至りますが、その150年以上の写真の歴史の中では、すばらしい写真作品が多数生み出されてきました。

・絶妙のタイミングと画面構成により、風景から芸術的な一瞬を切り取ってみせたアンリ・カルティエ=ブレッソン。
・報道写真だけでなく、美しい風景写真の数々を見せてくれるマグナムの写真家たち。
・急速に変化する都市生活の情景を独自の視点でとらえるリー・フリードランダー。
・ニューカラーと呼ばれるカラー写真の先駆者の一人であるスティーブン・ショアー。
・トポロジーというユニークなコンセプトで制作したベッヒャー夫妻と、その教えを独自に発展させたベッヒャー派の写真家達。
・杉本博司やビル・ヤコブソンのアウト・オブ・フォーカスで撮られた静謐で詩的な作品。
・ウォルター・ニーダーマイヤー、ピーター・ビアロブルゼスキーなどによる、独特の光と色彩により印象的な風景を映し出した作品。
・ロニ・ホーンの詩と写真を併置した作品や、アンドレアス・ゲフェラー、オラファー・エリアソンのフォト・コラージュ作品など実験的な試みを行うアーティスト。

…などなど、風景写真の名作から現在まで、風景写真の魅力を伝える作品集をまとめてみました。

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Joseph Beuys

Joseph Beuys | ヨーゼフ・ボイス

 ヨーゼフ・ボイス(1921〜86年)は、旧西ドイツ出身の現代アーティストです。ボイスがこの世を去って26年が経ちました。
 ユリーカには、ボイスのたくさんの書籍があります。出版社やテーマは様々ですが、これらの書籍に掲載されているものは全てボイスが生涯をかけて創りだした作品です。どの作品にも、ボイスが思考を巡らし伝えたかったことが詰まっています。

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Art & Photography

Art & Photography | アートと写真

 もはや我々の生活の一部となっている写真。アーティストもそれぞれの感性で写真を使った作品を生み出しています。
美しい写真をもとに、フィクションとノンフィクションの境界を揺り動かすソフィ・カル。
ヨーゼフ・ボイスのパフォーマンスのドキュメント写真集。
フリーダ・カーロの家族アルバム。
ベッヒャー以降のドイツ現代写真家たち。
写真をもとに絵を描く、ゲルハルト・リヒター、リュック・タイマンス等の画家。
写真の上に直接ドローイングするアーノルフ・ライナー。
…などなど、写真を使用したユニークな作品集をご紹介いたします!

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