アーノルフ・ライナー(Arnulf Rainer 1929年 - )オーストリア・ニーダーエスターライヒ州出身の芸術家。
オーストリアを代表する画家の一人でもある。美術機関での教育を受けていない芸術家。
1950年にエルンスト・フックス、アリク・ブラウアー、ヨーゼフ・ミクルと共に”Hund Grupee” を設立。初期作品はシュールレアリズムに、パリを訪問後には抽象表現主義やアンフォルメルに影響を受けている。特にアンドレ・ブルトンとの出会いは、大きな影響を与えた。1954年以降、イラストや写真の黒塗りや上塗り、マスキングなどが主流となっている。十字架のシリーズは、1956年に制作を開始している。また、ウィーン・アクショニズムにも近いとされている。1978年にはThe Grand Austian State Prizeを受賞。1981年から1995年には、Academy of Fine Arts in Viennaで教鞭を執った。作品は、世界の主要な美術館に収蔵されている。

イラストや写真に黒塗り(Black Overpainting)が特に知られているライナーですが、本書に掲載されている作品のように、赤、青、緑、白などの色彩を使用した絵画も存在し、色彩がライナーの表現手段の一つであったことは見落とされがちです。
彼の作品の特徴は絵の具の使い方だけでなく、1970年代から1980年代の手や指を使用した絵画のように精力的な体力が見られる塗り方にもあります。またこの時期の終わりには、ブラシを使用してベールを重ねたような透明な描画方法も見ることができます。本書では、「Blattmalerei」、「 Enge」 「Geologica」、 Goya」、「Landschaften」、「Mikrokosmos」、「Makrokosmos」などの作品を掲載し、様々な手法をご覧いただけます。

出版社：　　Hirmer
タイプ：　　ハードカバー
言語：　　　英語
サイズ：　　29.4 x 23 cm
状態：　　　新品
ページ数：　176ページ
刊行年：　　2023年
ISBN：　　 9783777441627