エルズワース・ケリー(Ellsworth Kelly 1923年 - 2015年)アメリカ合衆国・ニューヨーク州出身の芸術家。20世紀から21世紀の同国を代表する画家の一人でもある。ジャン・アルプ、コンスタンティン・ブランクーシ、ジョン・ケージやマース・カニングハムなどの影響なども受けた半立体的な絵画は、ギャラリーや美術館などの空間をも意識し、全ての色や形が機能する在り方へと表現形態を拡大。簡素で自然な形と色彩の構成についての研究を重ね、第二次世界大戦後の抽象表現主義の代表的作家となる。幼少期は、人口の少ない村で過ごし、8歳になるころ祖母に連れていかれたバードウォッチングは彼が自然の中から美しい形を見つけるとても良い経験となった。その後は、鳥類学者についても興味を抱く。特にやジョン・ジェームズ・オーデュボンは、ケリーに大きな影響を与えた。ボストンの芸術学校で学び、パリ・ボザール美術学校にも足を運んでいる。

本書は、2023年10月15日から2024年1月14日にアメリカ・カリフォルニア州のSanta Barbara Museum of Artにて開催の展覧会を機に刊行されました。この書籍は、エルズワース・ケリーの写真のみを展示した初めての展覧会を記念して刊行された美しい写真集です。
1940年代後半から、ケリーは自身の周辺で感じたさまざまな種類の視覚現象に基づきながら、時代を定義する一連の抽象芸術を制作してきました。
これらの写真は、主に自身のために撮影され、自然と建築のイメージの緻密な構成と、印象的な光と影の反響を記録しています。一見同じように見えるかもしれませんが、彼はこれらの写真に基づいて作品を制作した訳ではありません。あくまで彼にとってカメラは、彼が生きている環境、たとえ抽象的であっても、現実の日常世界の主観的な経験と、常に共鳴す芸術を転写するために使用したツールの一つでした。
海辺の階段の影、雪の降る丘の中腹の曲線など、そのような世界に対するケリーの豊かな感覚的な魅力がこの写真には詰まっています。

出版社：　 Delmonico Books/ Santa Barbara Museum of Art
タイプ：　　ハードカバー
言語：　　　英語
サイズ：　　31.2 x 25.5 cm
状態：　　　新品
ページ数：　160ページ
その他：　　カラー図版13点、白黒図版58点
刊行年：　　2024年
ISBN：　　 9781636811246