トーマス・ルフ(Thomas Ruff 1958年 - )ドイツ・ツェルアムハルマースバッハ出身の芸術家。現在は、同国・デュッセルドルフを拠点に活動を行う。ベッヒャー派の写真家の一人でもある。コンセプチュアル・フォトグラファーとして知られ、写真のメディアとしての側面を分析し写真表現の可能性を引き出して見せるという、独自のスタンスで作品制作を行う。1977から1985年の間、デュッセルドルフ芸術アカデミーにてベルント＆ヒラ・ベッヒャーの元で、アンドレアス・グルスキーやカンディダ・ヘーファー、トーマス・シュトゥルート等とと共に写真を学ぶ。1980年代の初めに友人、知人のポートレートを大きく引き延ばしてプリントした「カラーポートレート」にて世界中に知られる。
ベッヒャー夫妻のタイポロジー（類型学）という手法を多角的に発展させ、1990年代のデジタル画像をブロックノイズごと大きく引き伸ばした作品『jpegs』では、インターネットで入手した写真を使用し、自ら写真を撮影することに重点を置かないという独自の制作手法を採る。その後も、衛星写真をもとに制作された『Stars』や『mars』シリーズ、コンピューター・グラッフィックスを印画紙に焼き付けた『cycles』シリーズなどの実験的な作品を発表。

2019年に、香港のDavid Zwirnerギャラリーで開催された個展に合わせて刊行された書籍になります。過去の最も有名な作品のセレクションに加え、2018年に開始された、1850年代に東インド会社の軍隊に参加したイギリスの写真家Linnaeus Tripeがインドとビルマで撮影したネガを使用した、新しいシリーズ『Tripe / Ruff』などが紹介されています。
また、本書で初めて公開される、ルフとキュレーター／美術批評家のOkwui Enwezorによる、興味深くダイナミックなルフの芸術的実践とインスピレーションを検証する対話を収録。
30年に渡って現代文化のイメージのあり方を探求をつづけ、大きな影響力をもつルフの代表作と最新作を合わせてご覧いただける一冊となっています。


出版社：　　David Zwirner Books
タイプ：　　ハードカバー
言語：　　　英語
サイズ：　　24 x 17 cm
ページ数：　80ページ
図版：　　　カラー45点
状態：　　　新品