ジェームズ・マクニール・ホイッスラー(James Abbott McNeill Whistler 1834年 - 1903年)アメリカ合衆国マサチューセッツ州出身の芸術家。油彩・水彩の画家であり、版画家。絵画において、感傷や道徳的な暗示を避け、「芸術のための芸術」という信条の主導的な提唱者でもあった。耽美主義を代表する画家でもある。パリで美術を学び生涯の大半をロンドンとパリで過ごした。リアリズムの巨匠シャルル・グレールを支持するが、当時の革新的な画家ギュスターヴ・クールベに共感した。
ホイッスラーは、絵画と音楽の類似点を見出し、多くの絵画作品に「アレンジメント」、「ハーモニー」、「ノクターン」という題名を用いて、音調の調和の重要性を強調した。代表作「灰色と黒のアレンジメント第1番」は、母の肖像画または芸術家の母の肖像という口語名で知られ、母性を映画いた肖像画として崇拝され、しばしばオマージュ的な作品が制作されている。作品のサインは、文字ではなく長い針を付け加えた模様化された蝶の形をしている。この象徴的な目印は、彼の性格の両側面を組み合わせている(作品の繊細さと自身の闘争的な人格)。
独自の美的理論と一流の芸術家たちとの交流によって、当時の芸術と幅広い文化に影響を与えた。

本書は、Freer Study Collectionのホイッスラーの水彩画50点以上を体系的に研究したものをまとめています。人物、風景、夜想曲、室内がなど、作品の現代的な受容を考察する美術史的な背景と、ホイッスラーの素材と技法の厳密な化学的分析の両方が含まれています。そして、作品のこれまで見過ごされてきた部分に画期的な視点を提供しています。

ホイッスラーは油彩と共に水彩でも知られ、当時は英国の巨匠J.M.W.ターナーと結び付けられることが多くありました。欧州を拠点としたホイッスラーは、ターナーの後継者として自身をアピールすると同時に、持ち運びやすい作品を制作し、アメリカの市場に供給し、母国での美術史の系譜に役立つことを期待していました。最終的に、1906年にアメリカのギルディッドエイジの実業家Charles Lang Freerによって、スミソニアン博物館にホイッスラーの最大の水彩画コレクションが寄贈されました。

出版社：　　Smithsonian Institution
タイプ：　　ハードカバー
言語：　　　英語
サイズ：　　28.7 x 26.2 cm
ページ数：　288ページ
状態：　　　新品
刊行年：　 2019年
ISBN：　　 9780300243628