ソフィ・カル(Sophie Calle 1953年 - )フランス・パリ出身の芸術家。80年代より芸術活動を始め、美術機関で教育を受けていない。7年間の放浪の旅からパリに戻った後、見知らぬ人を尾行したり28人の友人や赤の他人に自身のベッドで8時間寝てもらい撮影をするという作品を制作。自身の感情や記憶を扱った作品やプライベートな感情や行為を視覚化する作品などがある。それらの作品はフィクションなのかノンフィクションなのかも分からないまま、鑑賞者は追体験し様々なことを感じる。また、作品形態は写真とテキストという組み合わせが多く、それらの展示の際の構成は、鑑賞者を彼女の世界に導く。また、彼女の書籍は、アーティストブックのように凝った作りとなっており、どの書籍もサイズ・表紙・紙・配列・印刷に至るまで、本を開くだけで、作品を見るように手に取ることができる。
本書は、1983年に発表された作品「The Address Book」を書籍化したものです。
このプロジェクトは、公衆の論争を引き起こした(持ち主は、彼女をプライバシーの侵害で訴えようとしました)彼女の最初の作品でもあります。ある日、彼女は道で一冊のアドレス帳を拾います。それは、”Pierre D”とい男性のものでした。彼女は、拾ったそのアドレス帳に載っていた人々にこの持ち主についてインタビューを試みました。そして、それらのインタビューは、フランスの新聞”Liberation”に連載されました。本当の赤の他人である彼女が、”Pierre D”という人物を、知っている人々に尋ねていくという一つの物語です。この作品もまた、写真とインタビューテキストによって構成されていきます。
書籍は、拾ったアドレス帳のようなデザインとなっています。
出版社: Siglio
タイプ: ハードカバー
言語: 英語
サイズ: 19 x 13.3 cm
状態: 新刊
刊行年: 2012年(第4版)
ISBN: 9780979956294