ドナルド・ジャッド(Donald Clarence Judd 1928年 - 1994年)アメリカ合衆国・ミーズリ州出身。20世紀を代表する画家・彫刻家・美術評論家であり、ミニマル・アートを代表するアーティストの一人でもある(ジャッド本人はこのムーブメントの作家として扱われることに否定的であった)。近代彫刻の新しい流れをもたらし、アルミニウムなどの産業素材を使用した彫刻作品を制作。
哲学を学んだ後、Rudolf WittkowerやMeyer Schapiroの元で美術史の修士号を目指し、またニューヨークのArt Students League of New Yorkの夜間学校にも参加した。1959年から1965年には、主要なアート雑誌に美術批評を書いた。画家・版画家としてスタートさせ、50年代には抽象表現主義に影響を受けた作品を制作、初個展も開催する。60年代に入ると立体作品へと手法を移行し、「スタック」シリーズや「スペシフィック・オブジェクト」と呼ばれる四角い箱を並べた作品などを展開。80年代には数々の建築プロジェクトを手掛け、建築論も展開。1968年、ジャッドは1870年にNicolas Whyteが設計した5階立ての建物を購入し、住居とスタジオとして使用した。
本書は、2023年9月4日から11月4日まで、韓国・ソウルのThaddaeus Ropacにて開催された展覧会を機に刊行されました。約10年振りとなる本展は、芸術家の息子でありThe Judd Foundationのアートディレクターのフレヴィン・ジャッドがキュレーションを手がけ、ドナルド・ジャットのミニマルな特別なセレクションを紹介する展示となりました。
ジャッドは、1947年にソウルに駐在をしていた経歴があり、韓国と個人的な繋がりがありました。中国の風水に似た、韓国の風水の概念は、彼の空間の視覚化に役立ちました。そして、この展覧会を記念して制作されたこの書籍も緊密な協力のもと制作/編集され、ジャッドの美学の元、存在と空虚の関係を探求するユニークな装丁とレイアウトになっており、作品の特徴である形状のシンプルさへの厳格な配慮を反映させています。
出版社: Thaddaeus Ropac
タイプ: ハードカバー
言語: 英語
ページ数: 272ページ
サイズ: 26 x 26 cm
状態: 新刊
その他: 図版64点
刊行年: 2023年
ISBN: 9791198372406