エド・ルシェ【Books and Paintings】
エド・ルシェ (Ed Ruscha 1937年 - )アメリカ合衆国ネブラスカ州出身の芸術家。 1960年代に抽象表現主義の学術的な意味合いを放棄し、代わりに広告の比喩表現に目を向け、形、承継、素材としての言葉を絵画に組み合わせる作品を制作。それは、絵画・写真・版画というジャンルにとどまらない一つの新しい表現。1956年にオクラホマシティからロサンゼルスに移り、The Chouinard Art Instituteにて学ぶ。フランツ・クラインやウィレム・デ・クーニングの影響を受けた絵画を制作。1957年、当時まだ無名であったジャスパー・ジョーンズの「Target with Four Faces」を目にします。ジョーンズの作品に強いインスピレーションを受けたルシェは、グラフィックと絵画に興味を持ち始め、最初のワードペインティングであるE.Ruscha(1959)を制作。1961年より商業広告や映画などから引用されたイメージと、文字とを組み合わせた絵画作品「Word Painting」シリーズの制作を始める。以降、現在まで制作が続けられており、ルシェの代表作と言えるシリーズとなる。また、1960年代に入ると最初のアーティストブックを手がける。『本』を作品とみなすこの行為は、コンセプチュアルアートといままでの平面的な写真の歴史に大きな影響を与え、1960年後半に見られたストレート・フォトグラフィーの枠組みにとらわれないものであった。1960から70年代にかけて、自費出版にて16冊のアーティストブックを出版します。モノクロ写真でガソリンスタンドを客観的に撮影した『26のガソリンスタンド』、大通りの両サイドの建物の連続写真を蛇腹式の本に収めた『サンセット大通りのすべての建物』など、本を作品とみなすこの行為は、写真表現のあり方に大きな影響を与えるものでした。 写真表現についてルシェは、「写真は表現手段として利用するだけで、私は写真家ではないんだ」という趣旨の発言をしており、ダン・グラハムやシンディ・シャーマン、ベッヒャー夫妻などと共にコンセプチュアル・フォトグラフィーの作家として紹介されることもある。 本書は、2013年6月から9月にドイツ・ミュンヘンのMuseum Brandhorstにて行われた作品寄贈記念の展覧会時に同時刊行された書籍になります。エド・ルシェの作品は、絵画のモチーフと単語や文章との組み合わせを用いており、それらが特徴の一つとなっています。その組み合わせは、アート作品としての”本”にも機能しています。写真・絵画27点と本18点を掲載し、それぞれの作品に詳細な説明のついたカタログ的な書籍となっています。1960年代から制作されているルシェ作品は、現在のアートブックや作品としての”本”の先駆けとなったものです。詳細な説目のついた本書はルシェ作品に近づける一冊となっています。 出版社: Richter Verlag タイプ: ハードカバー 言語: 英語 ページ数: 70ページ サイズ: 23.8 x 29.5 cm 状態: 新刊 その他: カラー図版21点、白黒図版12点
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