マリア・ラスニック(Maria Lassnig, 1919 - 2014)
オーストリア南部のケルンテン州生まれ。ウィーン美術アカデミーで学んだ後、1951年にアンフォルメルの運動が強い影響力をもっていたパリへ留学し、パウル・ツェラン、アンドレ・ブルトン、ベンジャマン・ペレらに出会います。その後パリ、ニューヨーク、ベルリンなど各地でシルクスクリーンやアニメーションフィルムなどを学びながら制作を続けました。1980年にはオーストリアに戻り、女性初の絵画科の教授として教鞭を執りながら活動を行います。80年ヴェネツィア・ビエンナーレにオーストリア館代表、82年、97年カッセル・ドクメンタなど多くの国際展への参加のほか、世界各地で個展が行われています。
ラスニックは写し絵を制作することを拒み、60年以上の長きにわたって彼女の内面世界を表現する手段に関心を寄せてきました。彼女は「body awareness」という言葉を用いて、彼女の内側から身体の感じる事柄を表現しようと試みから、数多くの彼女自身のイメージを制作しました。
本書は、ラスニックのドローイングと水彩画に焦点を当てた回顧展に合わせて刊行されました。
彼女の絵画における芸術的実践の中でも、重要な役割を担うドローイングと水彩画を総観する内容となっており、1940年代から晩年まで、「body awareness」をめぐる実践をまとめてご覧いただける一冊となっています。
出版社: Hirmer
タイプ: ハードカバー
言語: 英語、ドイツ語
ページ数: 240ページ
サイズ: 28 x 24.5 cm
状態: 新刊
図版: 159点