ヴォルス(WOLS)、本名:アルフレート・オットー・ヴォルフガング・シュルツェ(Alfred Otto Wolfgang Schulze, 1913 - 1951)は、ドイツ・ベルリンで生まれ、フランスで活動を行った画家、写真家です。
ベルリンで写真を学びながら、絵画にも興味を持ちます。モホリ=ナジ・ラースローの勧めで、フェルナン・レジェの助けを借りて1936年に徴兵からの脱走者としてパリに移住。そこでマックス・エルンストやジャック・プレヴェールらと交流を深めながら写真家として働き、パリの有名ギャラリーで写真展を行なっています。
しかし、第二次大戦が始まると敵国者であるヴォルスは拘束を逃れる為、各地を転々とする生活を余儀なくされます。その間も作品の制作を続け、1945年には初の水彩画展を開催し、パリの文化人に大きな印象を与えます。2年後にも展覧会を開催し、高い評価を受けています。
1940年ごろからは急速に健康損ない、1951年に38歳の若さで亡くなった後も、カッセルのドクメンタ1、2、3にて作品が展示され、詩的抽象画の先駆者として広く知られるようになります。
本書は、2014年にスペイン・マドリードのソフィア王妃芸術センターで行われた展覧会に合わせて出版された作品集となります。この展覧会では、ヴォルスの水彩、ドローイング、絵画、写真作品を時系列で紹介するのではなく、路上で人間存在の本質的な細部(Street)が描写された写真作品と、時間と共にますます抽象的で普遍的な宇宙(Cosmos)が表現さるようになっていくドローイング、絵画を対置させ、ヴィルス独自の世界観への接近に焦点が当てられています。
また、ヴォルスの絵画、写真についてのエッセイ、エリオ・オイチシカ、ジャン・ポール・サルトル、ヴォルス本人のテキストの他、バイオグラフィー、作品リストを収録。
出版社: Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía
タイプ: ペーパーバック
言語: 英語
ページ数: 204ページ
サイズ: 24 x 19.8 cm
状態: 新刊