杉本博司(Hiroshi Sugimoto 1948年 - )東京出身。日本を代表する写真家であり芸術家。現在は、東京及びニューヨークを拠点に活動。立教大学経済学部を卒業の後、1970年にアートセンター・カレッジ・オブ・デザイン(ロサンゼルス)にて、写真を学ぶ。その後、アシスタントを経て1975年に自身のスタジオを構え、1976年にニューヨーク近代美術館(MoMA)写真部門へ、最初のシリーズ「ジオラマ」の一枚を持ち込み、評価を得る。ニューヨーク州やグッゲンハイムの奨学金を得て、写真制作に没頭した後、生活の為に古美術商ギャラリー「MINGEI」を開業。「ジオラマ」「海景」「劇場」「ポートレート」「蝋人形」「陰翳礼讃」「建築」など多くの写真集を刊行。2009年には高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。2013年にはフランス芸術文化勲章オフィシエを受章している。
長らく絶版となっていた、杉本の広く知られる代表作の一つである海景シリーズをまとめた初版本に、5枚の未公開写真を追加したアップデート・エディションになります。
30年以上に渡り、世界中の海を旅して撮影されたこのシリーズは、海と空の完全な静けさの瞬間を捉え、その水平線は正確に各イメージを二分しています。この厳格な形式が繰り返されながらも、同じ水平線は2度現れることなく、海と空の一回限りの接触を感じさせます。
冒頭のエッセイにて、社会学者の見田宗介は、全てを消したいという欲求、モダニズムの還元主義的な情熱によるロスコの晩年の絵画とは対照的な活力を指摘しています。
ロマンティックでありながら、絶対的な厳格さ、普遍性を持ちながら非常に具体性を持った写真作品200点以上がまとめられた見応えある一冊となっています。
出版社: Damiani Editions
タイプ: ハードカバー
言語: 英語
ページ数: 280ページ
図版: 225点
サイズ: 28.5 x 26.2 cm
状態: 新刊