ロバート・ライマン【Early and Late】
ロバート・ライマン(Robert Ryman 1930年 - 2019年)アメリカ合衆国・テネシー州ナッシュビル出身の芸術家。絵画におけるライマンの関心は、何を描くかではなく、どのように描くかにあり、絵具や絵筆が画面上での役割に細心の注意を払って制作される。画面に於いては均整の為に正方形が使われ、支持体には木、ファイバーグラス、金属など様々な素材が用いられた。また、色彩も制作の痕跡としての物質的な側面を浮かび上がらせる為に白が単色で使用される。テネシー州の大学で学んだのち、音楽を学ぶためニューヨークに移住。サキソフォン奏者としてジャズを学びながらも、美術館で出会った絵画の面白さに惹かれ、徐々に関心を移した。その後、ニューヨーク近代美術館の警備の仕事に就き、多くの作品に触れながら、自らの制作を続けた。1967年の初個展以来、1972年にニューヨーク・グッゲンハイム美術館での「Sistemic Painting」展や、カッセルDocumenta 5にて国際的に知られる画家となり、以降も世界各地で回顧展が開催された。 1960年代、ロバート・ライマンは、過激で独創的な作品の幅広い範囲をしっかりと確立し始めました。当初は、1960年代後半から1970年代初期に製作した作品で評価を得ましたが、初期の絵画はあまり広く見ることができません。 本書には、ジャズミュージシャンとして活動した経歴に影響を受けた、この時期の絵画作品の代表作が含まれています。例えば、キャンバスを張った場合とそうでない場合の両方の画面に、インパスト技法で描いた作品、小さなサイズと大きなサイズの両方で、濃くまたはまばらに描かれた作品、そして、生リネンに描かれた滅多に見ることのできないシリーズなどです。これらの作品には、1点または複数の完成・独立した構成が描かれています。 また、これらの作品の多くは、色彩豊かな下塗りの微妙な示唆が特徴で、鑑賞する際に大きな影響を及ぼします。一方で、他の作品では、緑、赤、青の積極的な使用により、様々な白のトーンの視覚的な存在感が強められています。 ライマン作品の幅広さを紹介するこの書籍には、初期の作品と同時期に制作された多くのドローイングや、最晩年の絵画も含まれています。最後のキャンバスは、50年にわたる芸術家としての経歴を通じて、ライマンが絵画に取り組んだ、尽きることのない探求的なアプローチを示唆しています。細部では、様々な白のトーンが視覚的に表現され、色と不在、そしてライマン作品の多くを特徴づける立体感の相互作用をご覧いただけます。 出版社: David Zwirner Books タイプ: ハードカバー 言語: 英語 サイズ: 30 x 22.5 cm 状態: 新品 ページ数: 190ページ その他: 図版107点 刊行年: 2024年 ISBN: 9781644231456
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