トーマス・シュトゥルート【Unconscious Place】
トーマス・シュトゥルート(Thomas Struth 1954年 - )西ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン出身の芸術家。ベッヒャー派の一人でもある。社会、記憶、関係性などの構造を探究し、緻密で大判写真で知られている。ドイツ・デュッセルドルフ美術アカデミーにて、ゲルハルト・リヒターを師事し絵画を学び、のちにベルント&ヒラ・ベッヒャーの影響を受け写真へと表現方法を変更。初期の白黒の都市風景写真、1990年代の「Museum Photograhos」、「Family Portraits」、「Paradise」、「Nature&Politics」シリーズなど、70年代から80年代半ばまでは白黒写真、80年代半ばからはポートレートや美術館シリーズを展開、90年代には自然を中心に風景や植物を題材としている。 本書は、トーマス・シュトゥルートの1970年から2010年にかけて撮影された印象的な街路風景シリーズをまとめた写真集をコンパクトにし刊行された新版です。 この知られたシリーズは、エディンバラ、リマ、平壌、ナポリ、ニューヨークといった都市の街路風景を、どれも同じような状況下(人通りのない状況)で撮影しています。彼は、これらのありふれた建物、人影のない通り、無名のファサードを「Unconscious Place(無意識の場所)」と呼んでいます。それは、見るものによってのみ意味が与えられる環境です。 卓越した技術、力強く抑制された中立性、それらによって提示されるシュトゥルート作品は、頭上の電線から足元の歩道に至るまで、都市の個性を余すところなく理解させてくれます。著名な社会学者Richard Sennettによるエッセイでは、冷静で明快な写真が、見るものの視点を強制するのではなく、自らの結論を導き出す過程を明らかにしています。 写真家、鑑賞者、風景の間に生まれる相互作用は、建築が私たちの日常生活にどのような影響を与えるかを理解する鍵となるかもしれません。 出版社: Prestel タイプ: ハードカバー 言語: 英語 サイズ: 31.5 x 24 cm ページ数: 264ページ 状態: 新品 刊行年: 2020年 ISBN: 9783791386683
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