フランツ・ヴェスト(Franz West 1947 - 2012年)オーストリア・ウィーン出身の芸術家。社会的な交流を作品の本質要素とした制作を行う。鑑賞者と作品、鑑賞者間の交流に関心が向けられている。1977年から1988年まで、ウィーン美術アカデミーで学ぶ。1970年半ば、人々が遊べる小さな彫刻( Passstucke、Adaptives)を制作。これらは、20世紀美術における最初のインタラクティブ彫刻の一つであった。1980年代には、台座に置かれた「Legitimate Sculptures」、椅子や机など家具を制作する。これらは、家具ではなく彫刻と見做されていた。ウィーンを拠点に、その文化と深い関わりを持ち、哲学、特にヴィトゲンシュタインやフロイト、ジョイスなどに影響を受けた。イギリス人芸術家サラ・ルーカスは友人であり、コラボレーションもおこなっている。
1990年代に欧州の主要な美術館で展示を行い、世界的にも広く認知される。1990年には、ヴェネチア・ビエンナーレのオーストリア館で展示。2004年には、アメリカ合衆国・ニューヨークのThe Lincoln Center Plaza in New Yorkに屋外彫刻群が設置された。
本書は、4人のコレクターがコラボレーションから生まれました。各コレクターは、自身のコレクションを精査し、フランツ・ヴェストの作品展を企画しました。この展覧会を機に刊行されたこの書籍には、ヴェストの400点以上の作品が掲載されており、現在までの刊行物の中で、最も包括的なモノグラフとなっています。初期の紙のコラージュ作品や後期の抽象的なファウンド・オブジェ作品、パンク家具など、遊び心ある作品が余すところなく収録されています。
また、この書籍では、型破りな制作活動のこれまであまり探求されていなかった側面を明らかにし、その風変わりな性質に関する興味深い逸話を掘り起こすテキストもいくつか収録されています。ブレゲンツ美術館の館長Thomas Trummerは、ヴェストの初期作品におけるフロイトとジョイスの影響を辿っています。同国出身の芸術家ハイモ・ツォーベルニクは、ヴェストとオランダ女王との気まずい衝突を語っています。
出版社: Walther Konig
タイプ: ハードカバー
言語: 英語
サイズ: 28.1 x 21.4 cm
状態: 新品
ページ数: 256ページ
その他: カラー図版284点、白黒図版4点
刊行年: 2024年
ISBN: 9783753305868