ジェームズ・タレル(James Turrell 1943年 - )アメリカ合衆国・カリフォルニア州ロサンゼルス出身の芸術家。45年以上にわたり光を使用し、知覚芸術を探求している。ロサンゼルスの「Light and Space」グループが盛んに活動していた1960年代後半より、光の実験を始めた。初期は、絵画における純粋な感情の概念に影響を受け、空間、色、近くの感覚的な経験に基づき、光で絵画を描くような作品を制作。この方法は、タレル作品の基礎となり、さまざまなシリーズを展開しながら拡大してきた。代表的なシリーズ「Sky Spaces」は、天井を円形や正方形にくりぬき、建物の内部から空を鑑賞する作品で、世界各所の美術館に所蔵されている。ここ日本では、新潟県十日町市の光の館、金沢21世紀美術館、香川県直島の地中美術館、新潟・越後妻有で鑑賞できる。
本書は、ロンドンのガゴシアン・ギャラリーで発表された、インスタレーション、光の作品、彫刻、版画などの作品カタログで、近年のタレルの作品が収録されています。
"Sustaining Light"(2007)
壁のガラス板が、コンピュータ制御されたネオン光によりピンク・紫・青・緑…と時間とともに緩やかな変化を見せる作品。移り変わる光の様子が連続写真で紹介されています。
"Bindu Shards"(2010)
ヘッドホンを装着し、寝台に横たわった鑑賞者が、巨大な球形の装置の内部で色のスペクトラムを体験する作品。
"Roden Crater"
タレルのライフワークである、ローデン・クレーター(アリゾナ砂漠の巨大な死火山の噴火口そのものを作品化する)のプロジェクトを紹介する写真や模型などの資料。
"Dhātu"(2010)
階段を上って、丸みを帯びた部屋に入り、緩やかに変化し続ける神秘的な光の世界に包まれる作品。鮮やかな色彩に包まれた部屋の様子が、たくさんの図版で紹介されています。
…など、タレル作品の光の美しさを十分にご覧いただける一冊となっています。
また、書籍のカバーや、表紙の装丁、本文中の文字の色に至るまでタレルの作品のイメージに合わてデザインされた仕上がりとなっています。
出版社: Rizzoli
タイプ: ハードカバー
言語: 英語
ページ数: 80ページ
サイズ: 31.7 x 25.5cm
状態: 新刊