ベルント・ベッヒャー(Bernd Becher 1931年 - 2007年)ドイツ・ジーゲン出身の芸術家。1953年から1956年まで、The Staatliche Akademie der Bildenden Kunst Stuttgartにて絵画を、1959年から1961年までは、デュッセルドルフ美術アカデミーのカール・ロッシングの元で、タイポグラフィを学ぶ。
ヒラ・ベッヒャー(Hilla Becher 1934年 - 2015年 )ドイツ・ポツダム出身の芸術家。1958年から1961年まで、デュッセルドルフ美術アカデミーにて写真を学ぶ。(学校で学ぶ以前、故郷ポツダムにて写真家の見習いをしていた)
彼らは、デュッセルドルフのTroost Advertising Agencyのフリーの写真家として活動しながら、作品を制作していた。1959年には、ドイツの近代産業の戦前の建物撮影に着手する。そして、それらを無名の彫刻と名付け、タイポロジー(類似学)の写真作品として発表した。彼らの試みは、現代写真の新たな潮流を開き、1920年より続く絵画的写真の延長線上にある新たな写真の自由化を見出した。ミニマリズム的な部分への評価も重なり、1980年代以降、現代アートとしても世界的にしられる。
また、彼らは母校デュッセルドルフ美術アカデミーにて教鞭を執り、その写真クラスで学んだ生徒は、総称して「ベッヒャー派」と呼ばれ、今日世界的な活躍を見せている。
本書は、1990年に初版の刊行された「 Hochofen (溶鉱炉)」(英語:Blast Furnaces)の2002年刊行のドイツ語版となります。1961年から1989年の間に、イギリス、ベルギー、フランス、オーストリア、ドイツ、アメリカにて撮影された鉄鋼産業の象徴でもあるといえる溶鉱炉が掲載されています。それらは、どの土地でも不気味な存在感を持ちながらも、まるで絶滅危惧種のような産業でもあります。純粋な機能的な形をもった建築物を「タイポロジー」の理論を持って写真作品へと再構築したベッヒャーの写真集です。
出版社: Schirmer & Mosel
タイプ: ハードカバー
言語: ドイツ語
ページ数: 272ページ
サイズ: 29.5 x 23.8 cm
状態: 新刊
その他: 図版223点