アンドレ・ケルテス(André Kertész, 1894 - 1985)は、卓越した画面構成と、小型カメラによる瞬間を捉えた写真作品で世界的に知られる、ハンガリー・ブダペスト出身の写真家。
写真雑誌との出会いから写真を学ぶ決心をします。1912年に最初のカメラを買い、プダペストの写真を撮影しています。兵役の後、ロバート・キャパやブラッサイなど多くの写真家と同様に、1925年にパリに移住します。雑誌の仕事を手がけながら、1927年に個展を開催するほか、Dadaやキュビスムなど当時の様々なアーティストと出会い、大きな影響を受けています。1930年頃には、凹面鏡を使用したディストーションのシリーズを撮影しています。
ヨーロッパでの社会・政治的緊張をうけ、1936年にニューヨークに移住します。移住後、写真制作を続けながら、ライフ・マガジンのカメラマンとして活動しています。1946年にはシカゴ美術館での個展で、代表作の一つ『Day of Paris』のシリーズを展示。1964年にはMoMAで個展を開催し、国際的に知られるようになります。
ケルテスにとって妻のエリザベスは、長年連れ添っただけでなく、彼の作品の被写体としても掛け替えのない存在でした。彼女が1977年に亡くなった後、ケルテスは、新しいカメラPolaroid SX70を使用し、自らを元気付けました。以前のカメラ機材と同様、彼は新しいカメラをマスターし、妻への敬意と憂鬱から抜け出す、興味深い作品を生み出します。
本書は、ケルテスが晩年に制作し未だ発表されたことのなかった、ポラロイド写真を集めた作品集となります。ニューヨークのワシントン広場の北にあった彼のアパートで撮影され、その多くは窓辺で撮影されています。個人的なオブジェ、背景の街並み、人物など、ガラスの表面の反射・変形による想像力豊かなカラー作品が収められた一冊です。
出版社: W. W. Norton & Company
タイプ: ハードカバー
言語: 英語
ページ数: 128ページ
サイズ: 18.6 x 16.2cm
状態: 新品