1962年10月、キューバのミサイル危機の間、ぼやけた監視映像が世界中を核による破滅の恐怖に陥れました。写真自体の説明はほとんどなされず、説明文は一般市民の危険を示すために使用されました。その後数ヶ月の間に、対照的なバックグラウンドを持つ2人のアーティストが同じような美学にたどり着きます。ニューヨークでコマーシャルアーティストとして活動を始めたアンディ・ウォーホルは、暴力的な写真のシルクスクリーンによる複製に目を向け、社会主義下の東ドイツ・ドレスデンで壁画家としてスタートしたゲルハルト・リヒターは、個人的またはメディアによる写真を元に、ぼやけたバージョンの絵画を制作しました。
『A Conspiracy of Images(イメージの陰謀)』と題する本書は、20世紀と21世紀の美術および写真史の研究家John J. Curleyによる、冷戦時代に政治的機関と、特に東西のマスメディアによって広められた両義的なイメージによって、アーティストによる美学的アプローチがどのように発展したのかを探る研究をまとめた書籍。戦後の抽象絵画の批判に始まり、西のポップアーティストであるウォーホルと、東の社会主義リアリズムのリヒターを美学と理論を取り上げた、冷戦下の視覚芸術の状況についての最初の学術的考察として、大西洋を横断した新たなモデルを提供する一冊となっています。
出版社: Yale University Press
タイプ: ハードカバー
言語: 英語
ページ数: 279ページ
サイズ: 26 x 21 cm
状態: 新刊