ハンス・ハーケ(Hans Haacke 1936年 - )ドイツ・ケルン出身のコンセプチュアルアーティストです。現在、アメリカ・ニューヨーク在住。カッセルの美術学校で学んだ後、61年にアメリカに移ります。初期の作品は物理的作用を観察・提示する作品、自然現象を知覚化したものでした。良く知られた作品の一つ”Condensation Cube, 1963-1965”:正立方体のガラスのキューブに水を閉じ込めた作品はこの頃に作られています。その後、政治色の濃い作品を手がけるようになります。このことで、美術館での展示を余儀なく取り止められるなどの圧力なども受けますが、1993年にはナムジュン・パイクと共にヴェネチア・ビエンナーレのドイツ館代表を努め、金獅子賞を獲得しています。
本書は、2019年10月から2020年1月にかけて、ニューヨークのNew Museumで開催の大規模な回顧展に合わせて刊行された、ハーケのキャリアを豊富な作品資料によって包括的に紹介するモノグラフ。
1960年代から2018年のインスタレーションまで、時系列沿って5つの章に分け、批評家による各時代の活動を図版資料と共に紹介するテキストやアーティストへのインタビューを収録。また、オラファー・エリアソン、カーステン・ヘラー、ダニエル・ビュレン、トーマス・ヒルシュホルンなど、ハーケに影響を受けた多くの現代アーティストのテキストが随所に挿入されています。制度的批評、コンセプチュアルアート、環境アートの先駆者として知的で洗練されたハーケの作品とキャリアを、現在の視点から再考する、大変見ごたえある一冊となっています。
出版社: Phaidon
タイプ: ハードカバー
言語: 英語
ページ数: 304ページ
図版: 120点
サイズ: 27.3 x 20.3 cm
状態: 新刊