トーマス・ルフ【Tableaux Chinois】

トーマス・ルフ(Thomas Ruff 1958年 - )ドイツ・ツェルアムハルマースバッハ出身の芸術家。現在は、同国・デュッセルドルフを拠点に活動を行う。ベッヒャー派の写真家の一人でもある。コンセプチュアル・フォトグラファーとして知られ、写真のメディアとしての側面を分析し写真表現の可能性を引き出して見せるという、独自のスタンスで作品制作を行う。1977から1985年の間、デュッセルドルフ芸術アカデミーにてベルント&ヒラ・ベッヒャーの元で、アンドレアス・グルスキーやカンディダ・ヘーファー、トーマス・シュトゥルート等とと共に写真を学ぶ。1980年代の初めに友人、知人のポートレートを大きく引き延ばしてプリントした「カラーポートレート」にて世界中に知られる。
ベッヒャー夫妻のタイポロジー(類型学)という手法を多角的に発展させ、1990年代のデジタル画像をブロックノイズごと大きく引き伸ばした作品『jpegs』では、インターネットで入手した写真を使用し、自ら写真を撮影することに重点を置かないという独自の制作手法を採る。その後も、衛星写真をもとに制作された『Stars』や『mars』シリーズ、コンピューター・グラッフィックスを印画紙に焼き付けた『cycles』シリーズなどの実験的な作品を発表。

2000年代初頭、トーマス・ルフは毛沢東に関するプロパガンダの本を偶然見つけました。そして、中国の共産主義の視覚的なレトリックに興味を持ち、後に”La Chine”を購入します。これは、中国共産党が1950年代後半から1970年代にかけて、ヨーロッパ諸国の共産主義の利点を示す手段として制作した定期刊行物のフランス語版です。
ルフは”La Chine”から、陽気な兵士、風光明媚な景色、冠婚葬祭、毛沢東らの画像をスキャンし、それらをオフセットハーフトーンのドットまで拡大し、画像を複製してピクセルに変換しました。その画像は元のスキャンの上に重ねられ、そこからさらに様々な部分を削除しました。最終的には、アナログハーフトーンデジタルピクセルの両方を見ることができます。Susanne Holschbachが述べているように「ルフはこの作品で、2つの写真時代の大量に配布された写真を一つの絵画に視覚的に統合した」。

出版社:  Walther Konig
タイプ:  ハードカバー
言語:   英語
ページ数: 176ページ
サイズ:   37 x 31 cm
状態:   新刊
その他:  図版85点
刊行年:  2022年
ISBN:   9783753301761

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