ヒルマ・アフ・クリント【A Pioneer of Abstraction】

ヒルマ・アフ・クリント(Hilma af Klint 1862年 - 1944年)スウェーデン・ソルナ出身。最初期の抽象絵画の一つを描いたとされる女性画家。「de Fem(5人)」のグループで活動し、オートマティスムによる実験的な描画を1800年代後半より行う。神秘主義にも魅了され、女性のみのグループにて精神世界との交流を行なった。ダイアグラムのような絵画は、複雑な精神的な考えを視覚的に表現したものである。芸術と精神に同時に魅了され、現代美術史上最も驚くべき作品を生み出した芸術家でもある。ストックホルムのTekniska SkolanとThe Royal Academy of Fine Artsで学び、1882年から1887年には、特にドローイング、肖像画、風景画を専攻。1908年にルドルフ・シュタイナーに出会い、芸術に関するシュタイナーの理論に傾倒する。カンディンスキーより以前に抽象絵画を制作した芸術家である。

ヒルマ・アフ・クリントは、1944年に81歳で亡くなる直前、自身の作品を20年間公開しないことを定めていました。事実、彼女の膨大な作品の片鱗が一般の人々の意識に届き始めるまでには、さらに40年以上がかかり、1987年に展覧会とそれに付随し刊行された書籍「The Spiritual inArt」がきっかけとなりました。それ以降、批評家、芸術家、歴史家はますます畏敬の念を抱き彼女を称賛し、アフ・クリントの絵画、水彩画、スケッチ(合計約1000点以上)は、ベアトリス・ミルハーゼス、エリザベス・マレー、タル・アール、そしてそれ以前のアグネス・マーティン、エマ・クンツ、アーサー・ダブの作品を予感させるほど、現代的に見えました。
彼女の作品は、その多くがアナンダという霊的指導者によって指示されたもので、同様に神智学とオカルト哲学に基づいた抽象表現を実践し、カンディンスキー、マレーヴィッチ、モンドリアンについては全く知らずに展開されていました。アフ・クリントの抽象表現は、抽象絵画を発明したと言われるカンディンスキーに先行していました。1906年には早くも、グリッド、螺旋、花びらのような形状で満たされた大規模な絵画を制作していましや。1916年には、水彩画のモノクロームを描き、シュルレアリストよりもずっと以前より、オートマティック・ドローイングを行っていました。
書籍では、200点の図版を掲載し、ヒルマ・アフ・クリントについて包括的にまとめています。彼女の芸術の感動的な明快さを明らかにするだけでなく、20世紀の抽象芸術の物語に触れた興味深い書籍です。

出版社:  Hatje Cantz
タイプ:  ペーパーバック
言語:   英語
サイズ:  28 x 21.8 cm
ページ数: 280ページ
状態:   新古品
その他:  カラー図版200点
刊行年:  2013年
ISBN:   9783775734899

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7,700円(内税)

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