エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch 1863年-1944年)ノルウェー出身の芸術家。代表作「叫び」は世界的に知られる絵画の一つ。孤独・嫉妬・不安などの感情をデフォルメされた人物や強調された色彩で現した、ムンクの作風は、後に20世紀初頭のドイツ表現主義に大きな影響を与えた。
1889年フランスに留学し、ゴーギャン、ゴッホなどの画家に影響を受けた。1982年、代表作となる「叫び」を制作。当時は、写実的な絵画が多数派であったため、展覧会は保守的な協会側から中止を要求された。

本書は、2023年6月10日から10月15日までアメリカ・マサチューセッツのClark Art Institute, Williamstown、2023年11月18日から2024年4月1日までドイツ・ブランデンブルクのMuseum Barberini, Potsdam、2024年4月27日から8月24日まで、ノルウェー・オスロのMunch Museumにて開催された展覧会を機に刊行されました。
多数の図版が掲載されたこの書籍は、ムンクの自然と風景の絵画に対する多面的な視点をご紹介しています。この重要なテーマは、ムンク作品の主要な部分であるにも関わらず、ムンク研究では無視されてきました。これは、絵画、リトグラフ、水彩画、木版画を含む作品全体を通じて、このテーマを幅広く探求した初めてのものです。
森林、農地、海岸の描写や海の嵐、雪、その他の極端な天候の絵画は、自然を私たちに示しています。そして、変化が起こる限界の空間はムンクの好みの一例であり、さまざまな形で人間と自然の関わりを称賛したものでもあります。
書籍内には、あまり一般的ではない風景画、そして特に有名な「叫び」の風景についても考察しています。これらの環境は、自然を実存的に描写しており、この芸術家が人間による自然破壊に深い懸念を抱いていたことも示唆しています。この懸念は、今日でも変わりません。彼の作品と並べて重要な資料として彼の著作を補足的に見ると、ムンクが自然に対して科学的な視点と、作品に反映させている形而上学的で精神的な再生の概念をどのように融合させていたのかが解ります。
本書には、受賞歴のある作家アリ・スミスによる、ムンクの作品に触発された魅力的な短編小説も収録されています。

出版社：　　MUNCH
タイプ：　　ハードカバー
言語：　　　英語
サイズ：　　29.2 x 21.5 cm
状態：　　　新品
ページ数：　248ページ
その他：　　カラー図版200点
刊行年：　　2023年
ISBN：　　 9780300270501