ジョセフ・コーネル【Enchantments: Joseph Cornell and America Modernism】
ジョセフ・コーネル ( Joseph Cornell 1903年 - 1972年)アメリカ合衆国・ニューヨーク州ナイアック出身の芸術家。アッサンブラージュの先駆者の一人としても知られている。代表作である「箱」は、ガラスで閉じられた箱に写真や骨董、標本、書籍の1ページなどを配置し、ノスタルジックで物語性のある作品。マサチューセッツ州の学校へ進学、卒業はしていない。母と弟と共部木造の小さな家に住みながら制作を行い、弟が助手をしていた。自身の芸術は、シュールレアリスムとは別のものだと考えていた。アッサンブラージュの他に前衛的な実験映画の制作も行う。日本ではDIC河村記念美術館にてコーネルの7つの箱を見ることができる。 本書は、美しい図版とともに、魔法のような(合理的な説明を超えた意一時的な体験)を物質的な形で伝えようと試みたコーネルの実践を探求しています。 コーネルは、天体図、ガラス、羽、見つけたものなどをファンタジーと日常の境界を曖昧にする、魔法のような精巧で魅惑的な箱型の作品で知られています。ミッドセンチュリーのアメリカの幅広い芸術、文化、政治論争の中にコーネルを位置付けるこの書籍は、アメリカのモダニズムの歴史と彼の作品の関連性を示唆するものです。 コーネルの箱型の作品、グラフィックデザインプロジェクト、実験的映画などを調査し、超越主義やロマン主義などの運動から、どのように形式的な戦略を用いて非物質的なものを作り出したのかを検証しています。また、芸術家、詩人、作家、映画製作者など(Mina Loy、Lincoln Kirstein、Frank O’Hara、Stan Brakhageなどを含む)の幅広い交友関係などを混じえて、コーネルの芸術家やグラフィックデザイナーとしてのキャリアに新たな視点を提供しています。 彼がこうした多様な環境へ参加したことは、芸術の持つ力と道徳的権威の可能性についてや20世紀半ばの議論において、魔法のような魅惑が中心的な役割を果たしたことを示し、この魅惑と近代性がいかにして対立する力として理解されるようになったのかを明らかにしています。 そして、現代の芸術家、ベティ・サアーやキャロリー・シュネーマンらは、コーネルの手法を自身の反人種差別やフェミニストといった主題のプロジェクトのリソースとして活用しています。 抽象表現主義、1930年代のフォーク・アート、ニューヨーク派の詩や実験映画の出現、象徴主義、シュルレアリスム、バレエに関する移行など、近代アメリカの重要なエピソードとコーネルの約40年間にわたる実践の関わりに焦点を当てています。 出版社: Princeton University Press タイプ: ハードカバー 言語: 英語 ページ数: 272ページ サイズ: 25.9 × 19.2 cm 状態: 新刊 刊行年: 2021年 ISBN: 9780691181400
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