カール・アンドレ【Sculpture as Place】
カール・アンドレ(Carl Andre 1935年生まれ)アメリカ出身、20世紀代表する彫刻家の一人です。特にミニマリズムにおいて、名前のあがるアーティストです。美術の分野の抽象表現主義のアメリカでの展開の上でミニマリズム(ミニマル・アート)は、美術史に新しい展開を齎しました。 カール・アンドレは、ブランクーシの彫刻『無限柱』に影響を受けます。また、フランク・ステラとアトリエを共にし、ここからも彼の革新的な彫刻へのアプローチは展開されていきます。単純な幾何学のユニットを反復することで様々な効果(表現)を創ります。従来の彫刻よりも、展示場所による特性と調和を図りより鮮明なイメージへの構築を目指します。カール・アンドレは、詩人でもありその繊細な表現は、彫刻による詩のように感じます。工業製品のように規格サイズのある素材の反復、素材は、鉄鋼坂、枕木、煉瓦を使用します。 また、構築=正確に並べるとはちがう「スキャター・ピース」などの制作も行います。これは、作家の統制から作品が離れることで、観客が視覚ではなく身体を用いて作品との距離を意識するという従来の彫刻とは違った角度からの鑑賞者へのアプローチでした。 本書は、過去50年間に制作された重要なインスタレーション作品、未発表のコンクリート・ポエトリー、手紙、ポストカード、エフェメラなど膨大な資料からのセレクトと、国際的な学者による11のエッセイにより、ミニマルアートの運動の中で影響力のあるアンドレ作品を紹介する一冊。1970年代以降初めてとなるマドリードのソフィア王妃芸術センターでの回顧展に合わせて刊行されました。 床や角に設置された彼を象徴する作品を含む過去50年間に制作された彫刻作品について、木の板材やコンクリートブロック、金属板などのユニット化された工業材料の使用に焦点が当てられています。また、1960年代初頭のペンシルベニア鉄道の貨物列車のブレーキ係や車掌の仕事に就いた時に始められた詩作は、彼の彫刻作品のテーマを反映、拡張し、また鉄道での経験は、後年の彼の素材の選択に大きな影響を与えました。 現代美術の歴史における重要人物として、彼の幅広い活動を400点及ぶ多くの図版で紹介し、その理解を深める見応えのある一冊となっています。 出版社: Yale University Press タイプ: ハードカバー 言語: 英語 ページ数: 400ページ 図版: 400点 サイズ: 28.8 x 22.3 cm 状態: 新刊
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