ロバート・マザウェル【Pure Painting】
ロバート・マザウェル(Robert Motherwell, 1915年 - 1991年)バーネット・ニューマンやジャクソン・ポロック、マーク・ロスコ等と共にアメリカ抽象表現主義を代表する、黎明期からその発展を支えてきた画家です。ニューヨーク・コロンビア大学のマイアー・シャピロの元で美術史を学び、シャピロを通してロベルト・マッタを始め、ヨーロッパから亡命してきたシュルレアリスムのアーティストに出会います。その時、潜在意識の衝動を記録する方法としての『オートマティスム』を知り、その後マッタらと共に旅行したメキシコにて、ペンとインクで描かれたドローイング『Mexican Sketchbook』を制作しています。 1944年にニューヨークにて初個展を行い、同年MoMAに作品がコレクションされるなど、1940年代の半ばより、アメリカ前衛芸術グループ(バーネット・ニューマン、マーク・ロスコらも参加)の中心人物として知られるようになります。1950年代にはニューヨーク市立大学ハンター校や、ノースカロライナのブラック・マウンテン・カレッジにて教鞭をとり、ロバート・ラウシェンバーグ、サイ・トゥオンブリー、ケネス・ノーランドらに影響を与えたと言われています。1962年夏、妻であったヘレン・フランケンサーラーと共に滞在した多くの芸術家の集まるプロビンスタウン (マサチューセッツ州)にて、海岸線にインスパイアされ、飛散する絵具によって描かれた『Beside the Sea』シリーズ、1965年には、音楽家のアルバン・ベルグによって弦楽四重奏のタイトルとなる『Lyric Suite』シリーズが制作されています。また、この頃日本の和紙に強い感銘を受け、和紙を使用した作品を数多く残しています。1967年からは、大小のキャンバスを並置するアイデアから生まれた『Open』シリーズが開始されます。『Open』シリーズはマザウェルの代表作として20年近くに渡って制作が行われ、より複合的な作品へと進化していきます。 本書は、ロバート・マザウェル作品を徹底的に探求する一冊です。このような書籍は、長い間い刊行されていませんでした。著名な美術家Jennifer Cohen、Susan Davidson、 Simon Kelly、Monica McTighe 、Sarah Richにより、マザウェルのシュルレアリスムから抽象への転向を検証し、彼の50年の芸術家としてのキャリアの中で発展した主要なシリーズを考察します。マザウェルの芸術と19世紀のフランス絵画の伝統を対峙させた研究。彼の偉大なシリーズ「elegies to the Spanish Republic」で表現されている様に、この関係の根底にある政治的重要性を重点に置きながら、スペイン絵画の技術とプロセスの関係を調査しています。また、別の章では、深層地質時代と前衛的な戦略を想起させる、黄土色顔料のユニークな使用法についても考察されています。 出版社: Hatje Cantz タイプ: ハードカバー 言語: 英語 サイズ: 26.2 x 30.8 cm 状態: 新品 ページ数: 208ページ その他: 図版100点 刊行年: 2023年 ISBN: 9783775754385
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