ジョエル・スターンフェルド【Stranger Passing】
ジョエル・スターンフェルド(Joel Sternfeld, 1944 - )アメリカ合衆国の写真家。 スティーブン・ショア、ウィリアム・エグルストンらと共に、「ニュー・カラー・フォトグラフィー」と呼ばれる写真家の一人です。 1970年代、カラーフィルムが一般に普及しましたが、モノクロ中心だった写真表現の世界ではカラーフィルムは使用されていませんでした。その中で、スターンフェルドは色を重要な要素とし、ヨハネス・イッテンや、ジョセフ・アルバースの色彩論を学んだ後、1970年から大判カメラによるカラー写真を撮り始めました。彼はカラー写真の先駆者としてだけでなく、技術や姿勢でも大きな影響をあたえ、ドイツの写真家であるアンドレアス・グルスキーも影響を受けた一人と言われています。 その作品はNYのMoMAや、ロサンゼルスのゲティ・センターなどが所蔵しています。また、2回のグッゲンハイム奨学金や、ローマ賞を含む、数多くの賞を受賞しています。 2001年にMelcher Media / Bullfinch Pressより初版が刊行され、2012年にSteidlよりセカンドエディションが刊行されています。本書は、その2012年刊行のSteidl版となります。1980年代後半から約15年間に渡りスターンフェルドはアメリカを横断しながらポートレート写真を撮影しました。本書の著者:Duglas R. Nickelsの言葉を引用すると「アメリカ人は、世紀末をどのように見たのかをインテリジェントに非科学的に、インタプリティブにサンプリングしたポートレート」を撮影しました。ここに並ぶポートレートの被験者たちは、不気味な程に普通です。例えば、夕食を待つ銀行員、駐車場のショッピングカートを集める若者、ベッドを持っているホームレスなどです。特殊な環境下におけるポートレートや理解し易いテーマを掲げることへの概念的な戦略の一つとして、スターンフェルドは、ポートレートから状況下を読み解くことを放棄した写真を作り上げました。 「私達が今いる状況を認識できなくなった場合何が起きるのか?」「どのような仮説があれば、有効にはたらくのか?」「いくつかのなにかがあれば、ポートレートから誰かを識ることができますか?」と。約60人のアメリカ人を捉えたスターンフェルドの知的で美しい写真集です。 出版社: Steidl タイプ: ハードカバー 言語: 英語 ページ数: 132ページ サイズ: 29.6 × 34.5 cm 状態: 新刊
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